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投稿者:ミカっち
題名:ちょっとのこと
授業後などに保護者の方とお話をするのですが、「ちょっとのことなのにあるとないでは大違い」という出来事をよく聞きます。
「ちょっとのこと」すなわち「少しの支援や配慮」です。
例えば、ある保護者の方のお話から・・・
学校の掃除の時間、Aくんはいつも掃除場所からいなくなってしまいます。先生は、Aくんは掃除が嫌いでさぼっているのでは、と思いました。そこでAくんを呼んで、なぜ掃除をしないのか聞いてみました。するとAくんは「掃除の仕方が分からない。」と答えました。先生は廊下を掃いて見せ、「こうやってやるのよ。」と教えました。でも、次の日もAくんは掃除をしませんでした。何度かこのようなことが続き、先生は困って保護者に報告をしました。
その話をAくんのお母さんから聞いた後、私たちから少しだけアドバイスをさせていただき、先生に掃除カードを作ってもらうことにしました。掃除場所の絵と掃除の手順を、簡潔に分かりやすく番号を付けて書いてもらったのです。
周りの子どもたちは、当たり前のように行っていることでも、Aくんには‘どこからどこまでを(=何本目の柱から何本目の柱の間)’‘どういう方法で行い(=右から左に向かってほうきで掃く)’‘終わったらどうするのか(=掃いた後のゴミはちりとりに入れてゴミ箱に捨てる)’という手順が分からなかったのです。
Aくんは、カードを見て1番目が終わったら2番目を確認する、2番目が終わったら3番目・・・というように一つずつ順を追って最後まで掃除をすることができたそうです。そして、最近ではカードを見なくてもできるようになったとのことです。
周囲の人が感覚で理解し行っているようなことが、実は子どもたちにとって非常に分かりにくく、過ごしにくい環境となっていることが多くあります。
例えばビリーブの授業でも・・・
椅子に座る姿勢を保つことが難しいBくん。すぐに机につっぷしたり、椅子から降り床に寝そべったりしてしまいます。そこで、具体的に「この○○のお話を1回読む間、背中をまっすぐにして座っていよう。」と声をかけ、1回読み終わったら楽な姿勢(予め約束をした姿勢)を取ってよいことにしました。初めは短い時間からスタートしましたが、今ではだいぶ長く姿勢を保てるようになりました。この場合、いくらBくんに「ほら、ちゃんとして。」と(漠然と)言っても、姿勢を保つことは難しかったでしょう。もちろん、姿勢の保持には情緒面や空間認知の力や筋力なども関係していますので、合わせて他の活動も行っています。
子どもにどう伝えればいちばん分かりやすいのか。それは子どもによっても、場面によっても異なります。ただ一つ共通して言えることは、私たち大人は、自分の視点ではなく子どもの視点に立って考えなければいけないということだと思います。「ちょっとの配慮」が、実は子どもの生活にとって「大きな手助け」になることが多いのだと実感しています。
2008年11月01日