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投稿者:カトちゃん
題名:教材作りは楽しいな!
ビリーブで使用する教材・教具は、基本的にスタッフの手作りによるものがほとんどを占めています。
もちろん、市販のものや本を参考に作ることもありますが、一人ひとりの子どもたちに合ったものを作ろうとすると、それだけでは限界があります。
どうしても、課題と課題の間が空きすぎてしまい、つまり一つ一つの課題が粗くなってしまうため、その隙間を埋めるべく、手作り教材を作らざるを得なくなってしまうわけです。
そのため、スタッフは皆、1週間ずっと教材作りに没頭することになります。
私も、ビリーブの授業がある日は、授業が終わってから深夜までしこしこと教材を作っています。
授業がない日には、自宅やカフェであれこれ教材案を考えることにしています。
人は不思議なもので、常に考え続けていると、ふとした拍子にいい案が浮かんできます。
案が浮かぶと、すぐにメモって、具体的な作り方について、専用のノートに記します。
そうしないと、せっかくの案が一瞬にして頭から消えてしまうからです。
思いつきは、すぐに忘れてしまう。
しかも、いい思いつきほどすぐに忘れてしまう。
このことは、これまで何度も経験し、後悔したことです。
教材は斬新な案を出すことも大切ですが、ありふれたものでも、使い方を少し工夫することでとても有効な教材・教具に化けることがあります。
例えば、図形の課題で、△の形を使って見本合わせをするものでは、△を板目1枚だけではなかなか課題に向かえなかった子が、板目を重ねて△を分厚くするだけで、大いにやる気を出したという事例があります。
同じような教材・教具でも子どもが使いやすいように配慮を行うことで、全く違ったものになる・・・それはいつも子どもから教えてもらっていることなのです。
豊富な教材は、丁寧なかかわり方と並んで、ビリーブの売りになっています。
教材が揃っているから、授業で困ることは全くありません。
困るとすれば、教材があり過ぎて、どうやって整理すればよいか(教材部屋がパンクしそうです!)、あるいは今回は何を使えばよいのか、常に優先順位をつけなければならない…という贅沢な悩みでしょうか。
今日も、子どもたちの顔を思い浮かべて、教材作りを行うことがとても楽しみです。
2011年1月28日
投稿者:カトちゃん
題名:みんなの育ちを意識するとき
いつも一緒にいるとわからないことが、ちょっとした環境の変化で気づかされる、ということがあります。
例えば、あるとき、子どもたちの成長に驚かされることがあります。
日々子どもたちを見ていて、いろいろな面で成長しているな〜と実感しているわけですが、それがもっとも顕著に見られるのが、体験のお子さんや、新しく入ったお子さんと共に過ごす場面でのことです。
新しい子を目の前にし、子どもたちは自然に力を発揮するようになります。
以前なら、途中で横道にそれてしまったり、気持ちが途切れてしまいそうな場面でも、その子の手本になるように、落ち着いた振る舞いを見せてくれることが多々あるのです。
先日も、次のような場面が見られました。
あるグループの授業で、体を使っていろいろなポーズを取る活動を行っていたところ、新しい子が一生懸命に自分の気持ちを前面に出し、不安を口にしながら取り組んでいたところ、以前からいる子どもたちは、ごく自然にポーズを取り、周りの子の様子を見ながら、まさに落ち着き払っていたのです。
ポーズを行う際に難しいことは、いったん取ったポーズをしばらくの間保持することです。
半年くらい前のみんなは、ポーズは一応取れるものの、すぐにその形をやめてしまったり、おしゃべりに没頭して歩きだしたり、いずれにせよそのままの姿勢を続けることがなかなか難しかったと、いうことを、私は新しいお子さんの様子を見ながら明確に思い出したのです。
そして、思わず次のような感想が頭によぎったのです。
「あれ、5秒間以上も同じポーズを続けている」
「しかも、ポーズが以前よりもきれいになって、手足の細かい部分にまで意識が向いているのがはっきりと伝わってくる」
みんな、着実に成長しているんだね。
それは、臨床の記録を辿っていけば、明確にわかることなのでしょう。
しかし、理屈の上で感じるよりも、実際に目の前で成長を実感することのほうがより大切なのだと思っています。
なぜなら、その瞬間に子どもたちや保護者の方、そしてスタッフと思いを共有することができるから。
新しく来た子も、少し時が経てば、また他のみんなと同じようになってきます。
そういう意味では、子どもは子どもの中で育っているわけであり、相互的に育ちあう環境作りが私たちにとってもっとも求められることなのだと思います。
成長したみんな、そして、これからどんどん力をつけていく子どもたちに、心から拍手を贈りたいと思います。
2011年1月23日
投稿者:カトちゃん
題名:子どもに合った課題を追求する
ビリーブには学齢時のお子さんがたくさんいますが、みんな学校から宿題プリントをもらってきているようです。
特に長期休みになると、その量はかなりのものになり、お母さんと一緒に四苦八苦しているとのこと。
休み中も日々勉強を頑張っています。
そんな中、やはり気になるのは宿題の中身です。
子どもの持っている力と同じくらいか少し難しいか、易しいか…。
ヴィコツキーの発達の最近接領域(子どもが他者からの援助や誘導を受けることによって達成できる発達水準)ではありませんが、提供する課題の内容については、一人ひとりに応じ細心の注意を払って準備をすることが大切になってきます。
特に支援学級の場合、通常学級からきたばかりの先生が小学校の低学年の課題を提供すればよいと思うケースが目立ちます。
それで合っている部分もあれば、必ずしもそうならないのが特別支援教育の難しいところです。
なぜなら、小学校のカリキュラムは、学年ごとに力をつけていく子どもたちを前提にして作られていますから…。
障がいのある子どもたちにとっては、目が荒すぎることがとても多いのです。
そのため、ある段階まではできても、そこからパタっと止まってしまい、同じ課題を1年中(場合によっては数年間)繰り返すことになりかねません。
今回、保護者の方といろいろ話をしていて、とても驚いたことは、まだことばのコミュニケーションが単語を数語使う程度で、文字の読み書きは難しいお子さん(小学校の特別支援学級に在籍)に対し、冬休みの宿題として、@ひらながのなぞりと視写、A作文、が出されたことです。
そのお母さんはほとほと困ってしまい、なぞりは最初手を持って行ったものの、すぐに嫌がったので自分が子どもが書いたように作成し、作文に至っては、文章は子どもが考えそうなことを考え、なぞるために薄く見本を書いて、その上を子どもが書いたようになぞったとのことでした。
つまり、宿題はすべてお母さんがやったのです。
何のためにこういうことが行われるのか…。
ビリーブでも、臨床の後半にワークを行う場面を設けていますが、子どもが独力で行う場面が50%、少しの援助でできる課題が45%、ちょっと援助を増やして行う課題が5%という割合を心掛けています。
基本的に自主的にできるものであり、ここだけ手伝ってもらえばできるんだという意識で取り組まないと、子どもはワークを嫌いになってしまうのではないでしょうか。
ワーク(課題プリント)は、一人ひとりの子どもに応じて、どんどん増やしていくものだと思います。
もちろん増えていけば、みんなが共通して使えるものも増えていきます。
しかし、それでも、個に応じて微妙に違う部分があり、だからこそ、「○○ちゃん用のプリント」がたくさん存在するわけです。
みんな鉛筆を持って勉強することは、結構好きなのですから。
だからこそ、子どもに合った課題を追求することが大切になってくるのです。
2011年1月18日