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投稿者:カトちゃん
題名:日々成長する子どもたち!
いつも思うのですが、私たちセラピストにとって子どもと一緒にいるときほど、さまざまなドラマが生じる時間はありません。
つい先日の個別セッションでも、本当に貴重な体験を得ることができました。
Aくん(5歳)はこの4月からビリーブに通ってきている幼稚園の年長さんです。
幼稚園の他にも通園施設に通っており、そこで保護者相談やいくつかのトレーニングを受けています。
ビリーブには週に1〜2回通ってきています。
入室当初は、結構マイペースの部分が強くて、自分の気に入ったおもちゃなら自分の気に入った方法で遊ぶことはできますが、こちらが少しでもかかわろうとすると泣いたり怒ったりして強い拒否を示しました。
積み木では、自分の気に入った形(立方体)のみを積み上げ、毎回気に入った形(真ん中だけ抜いた真四角)に仕上げる、といった感じでした。
それ以外の活動では、こちらがいろいろと提案をするのですが、ほんの少しかかわってはすぐにやめるということの繰り返しでした。
楽器にはほとんど興味を示さず、触れることはもちろんのこと、こちらが音を出すだけで席立ちして大いに拒否をアピールするといった具合です。
そのため、まずはAくんのペースを大切にし、Aくんにとことんつき合いながら、徐々にこちら側の提案を行っていこうという方針でセッションを進めることにしました。
あれから、数ヶ月が経ちました。
つい最近の様子は…。
先日もいつもどおり、Aくんとの時間がスタートしました。
最近は歌の活動からスタートします。
お気に入りの歌が何曲かあって、この日も「歌えバンバン」「ゆかいに歩けば」などを歌い始め、10分ほどの間に5曲歌いました。
歌の間のAくんはどうかと言えば、伴奏を弾いている私の方を何度も見たり、盛り上がりの部分で身体を左右に揺らしたり、歌っているセラピストの口元を見て自分の口を動かしたり、喜びの声を出したり…。
とにかく安心感たっぷりに参加し、しかも上機嫌なのです。
歌が終わって、次の活動の準備をしていると、Aくんがおもむろにキーボードのところに近づいてきました。
何をするのか見守っていると、鍵盤に手を置き、音を出し始めたのです。
初めてのこの出来事に大いに驚き、しばし目を奪われていた私ですが、ふとAくんの手の動きを見てみると、ただバンバンと手のひらで叩いているのではなく、手首を少し上げ5本の指を立てて、まるで大人が弾いているように5本指を動かしているではありませんか。
これには本当に驚きました。
ふだん、歌の最中私の方をよく見ていましたが、向かい合って弾いていた私の指の動きもきちんと見ていたわけです。
最近、動作模倣が出始めたAくんですが、自分の気に入った動きならこんなに複雑な動きもできるようになったのですね。
こういう場面に遭遇するにつけ、子どもは本当に自分たちの枠組の中に収まりきらないのだなぁと強く感じる次第です。
その後、4月には考えられないほど、いろいろなものに集中して取り組んだAくんですが、途中行った「ひも通し」ではまたまた驚かされてしまいました。
一緒に30センチくらいのひもを持って、いろいろな形のビーズ(大き目です)を通し始めました。
Aくんは「同じ形のものを次々に通す」という法則で行っていましたが、数が足りなくなるとしばらく考えてから別の形のものを通し始めました。
このような柔軟性はちょっと前に比べて大きな変化です。
以前なら、自分の意に反したことが起きると、それまでやっていたことをすべて壊してしまい、怒ったり泣いたりして続かなかったのですから!
ひも通しは着々と進み20センチくらいにきたときでしょうか。
手元がすべって、床に落としてばら撒いてしまったのです。
そのとき、「あ〜、これはたいへんなことだ」と思ったのは、私ともう一人のセラピストだけでした。
Aくんは「あっ、落ちちゃった」という感じで下を見たあと、何事もなかったかのようにビーズを1つ1つ拾い始めたのです。
本当に子どもってすごいですね。
もっともっと子どものことを信じなければと大いに反省させられました。
そして、何度か落として、やっと30センチ近く出来上がったとき、ひもの両端をくっつけようと躍起になっているAくんを目にし、「貸して」と言ってひもを結びました。
輪になったひもをしばらく眺めていたAくんですが、そのあとにとった行動がまたまた私たちを大いに驚かせてくれたのです。
何と、そのビーズの輪を私の頭に乗せようとして一生懸命背伸びをしているではありませんか。
私が屈むとAくんはそれを頭に乗せて、いい子いい子という感じで頭を撫でてくれました。
もうこのときの気持ちと言ったらことばで言い表すことができません。
マイペースがとても強く、自分の世界の中で過ごしていたAくんが、人と一緒に歌を歌い、ものを作り、このようなやりとりをしてくるのですから。
お母さんのお話では、幼稚園でも遊びが広がり、周りの子とのやりとり場面も増えてきたとのこと。
この他にも、日々ビリーブに来ているたくさんのお子さんと、素敵なやりとりの時間を過ごしています。
これからも、ビリーブで学んだことが、幼稚園や学校で生かせるよう、日々の授業を充実させていきたいと思っています。
すぐに成果は出なくても、子どもは必ず成長していますから!
2007年10月04日