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投稿者:ミカっち
題名:印象に残った話@

先日、ある講演会で3人の方のお話を聴きました。
「『発達障害』を大いに語る」という演題で、市川拓司さん、高山恵子さん、上野一彦先生が、一緒に語り合うという内容です。
その中で印象に残った話を載せたいと思います。


市川拓司さんは作家で、代表作に「いま、会いにゆきます」「そのときは彼によろしく」「世界中が雨だったら」などがあり、テレビや映画にも採りあげられています。
エッセイでは、ご自身が「発達障害」的な個性を持っていることを語られています。

市川さんは、小学生時代にいわゆる‘手のかかる’子どもで、授業中は着席できず、おしゃべりも多かったそうです。
そのため、先生に叱られることも多く、自分ではちゃんとやっているのに「もっとちゃんとやれ」と言われたり、苦手な漢字を用紙に何枚も書かされたりし、本当に辛かったとおっしゃっていました。

また、先生からは、お母さんあての手紙(おこごと)が毎日のように渡されたそうです。
しかし、お母さんは一言も息子さん(市川さん)にそのことを言わず、手紙のことは大人になってから知ったようです。

お母さんは、市川さんが何かしたときに「まだまだ小さい。もっと大きいことをやりなさい!もっと変なことをやりなさい!」とおっしゃったそうです。
そのため、市川さんは先生に叱られることが多かったものの、伸び伸びと子ども時代を過ごせたのでしょう。

そして、苦手なこと(数学が苦手でエピソードのない記憶はしにくい、ひらがなも鏡文字になってしまう、など)は無理してやらず、その代わり、得意なことや好きなこと(外国の小説が好きでたくさん読んだ)をどんどん深めていったようです。

その経験が今につながっているのですね。
ちなみに、大学は英語学科を卒業されています。


お話がとても理路整然とされていて、わかりやすかったです。
やはり印象に残ったのは、お母さんの接し方と、苦手なことを無理せず得意なことを深めていった、ということです。

子ども時代に、無理して嫌な経験を多くしたら、後に同影響するか・・・。
結果は大人になってみないと分からないことです。
でも、大人になってからでは遅いかもしれません。

以前、幼児期に受けた厳しい指導(できないと罰を与えられる)のせいで、心に傷を持ってしまったお子さんとかかわったことがあります。
人を信じることができず、いつもおびえていました。
失敗を恐れるあまり、伸び伸びと表現することができません。
活動自体を楽しめず、すぐに結果を求めました。

そのお子さんが、冗談を言い、笑い、失敗を恐れず何にでもチャレンジし、活動自体を楽しめるようになるまで、数年かかりました。
この子がこのまま大人になっていたら・・・と思うとちょっと心配になります。

子どもとかかわる人には、目先の結果を求めず、将来子どもにどうなってほしいかを考えて、今を過ごさせて欲しいと思います。
もちろん私たちもそれを第一に考えて、子どもたちとかかわらせてもらっています。


〜つづく〜

2009年10月23日