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投稿者:カトちゃん
題名:ちょっとした違いに戸惑ってしまうから、「繰り返し学習」は工夫しなければ…

発達に遅れのある子どもたちには「繰り返し学習」が有効だと言われています。

確かにそのとおりなのだと思います。

何度も経験することで、いろいろなことが頭だけでなく、子どもたちの体の中に染み込んでいくのでしょう。


しかし、せっかくの「繰り返し学習」も、度が過ぎると、学んだことをパターン化してしまい、ちょっと違うことへの対応が難しくなる(柔軟性が身につかない)というケースが生じてしまう…。

そのことは、多くの子どもたちを見ていて感じることです。


私が教師になりたての頃は(かなり前です)、あちこちで毎日同じことをしている子どもたちで溢れていました。

たし算なら、足し算ばかり。

ビーズ通しならビーズ通しばかり。

1年中、朝マラソン…。

それらの多くは、意味のあることなのでしょうが、今考えると、同じことばかりではなく、もう少し種類を増やせばよかったな〜と反省することしきり。

繰り返しにより、確かに一つのことのスキルはアップしてきますが、ややもすると、そこで止まってしまうことが多い・・・すなわち、なかなかそこから発展できないというケースが見られるのです。


つい最近も、学校で10を超えるたし算、ひき算をかなりの月日をかけて勉強した子が、10の補数を聞くとなかなかわからなかったというケースに出合いました。

「3といくつで10かな?」

「う〜ん・・・」

積木を10のマス目に置く具体的操作によって何とかわかるようになって、先ほどの質問にすらすら答えられるようになったあと、今度は次のような遊びを行いました。

1から5までのカードをたくさん裏返して置き、カードをめくっていって、合わせて5になったらカードをもらえる、という数の神経衰弱遊びです。


前述の子は、最初に3のカードが出たら、すぐに次に2が出ればよいということを口にし、一生懸命カードをめくっていました。


しかしです。

最初に1が出て、次に2が出ると、5までの補数(あといくつで5になるか=2)が最後までわからなかったのです。

5−2ならすぐにわかっても、5−(1+2)になると、全然わからなくなってしまったのです。

このように、数はいろいろな形で操作することができます。

しかも、このような操作こそが、実は本当の意味で役立つ力につながることが多いのだと思います。


そして、そのような柔軟な理解力を身につけるためには、紙の上で計算問題(類題)をいくら解いても難しいわけで、だからこそ、一つのことができたら、そこに留まらず、ゲームや遊びや教材を使って、いろいろな角度から追求していくことが大切なのだと考えます。

このことは算数に限らず、すべての学習に共通していることなのでしょう。

本当に学ぶということは奥が深いのですね。

だからこそ、指導者は留まることなしに、常に教材作りを行っていかなければならないのだと、自分自身肝に銘じている次第です。

2011年2月13日