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投稿者:ミカっち
題名:Aちゃんから学んだこと
明けましておめでとうございます。
本年も、子どもたちと保護者の皆さまのため、スタッフ一同頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
私事ですが、この時期になると必ず思い出すできごとがあります。
今から7年前、ビリーブの大事な生徒であったAちゃんが、病気でこの世を去りました。突然のことで、とても悲しいできごとでした。
私は、Aちゃんが幼児であった頃から、10年以上かかわらせてもらいました。
Aちゃんは自閉症のお子さんで、障害は重く、ことばはありませんでした。
でも、ことば以上のコミュニケーション力を持っていて、とても豊かなかかわりができました。
Aちゃんは、お母さんのお手伝いをたくさんしていました。
洗濯物は、たたみ方を教えてもらうと、全部なくなるまで黙々とたたみました。しかも、嫌々行うのではなく、綺麗にたたむことを楽しんでいる様子でした。
Aちゃんは、解らないことやできないことがあると、周りの大人の手を引いて「教えてほしい」と要求しました。
何かできないことや、思いどおりにいかないとき、怒ったりせず、上手に人を頼ることができました。
Aちゃんは、音楽が大好きでした。
私たちが歌うと、合わせて身体を動かし、部分的に声を出していました。
音楽が流れると、リズムやテンポに同期し、自然に身体が揺れるようでした。
Aちゃんはよく笑いました。
楽しいことや嬉しいことがあると、大きな声を出して、よく笑いました。
周りもつられて笑いました。
Aちゃんは、嫌なことがあると上手に拒否をできました。
穏やかな声で、「ああ(いや)」と伝えられました。
Aちゃんのことを語ると、何時間あっても足りないくらいです。
私はAちゃんに、本当に多くのことを学ばせてもらいました。
直接伝えられないのは残念ですが、とても感謝しています。
人と過ごすことが好きで、周りを楽しませてくれ、ことば以外の方法で自分の感情や思いを伝えられるAちゃん・・・。
彼女がもし成人になっていたら、きっと周りの人とうまく過ごし、作業も上手にこなしていたと思います。
Aちゃんのお母さんは、Aちゃんに何かを(無理に)習得させようとはしていませんでした。
代わりに、いろいろなことを、一緒に行っていました。
一緒に経験し、笑ったり、泣いたり、楽しんだり、ドキドキしたり、怒ったり・・・。
音楽場面でも、Aちゃん以上にお母さんが身体を動かして曲に乗っていましたし、歌っていました。
楽器も、Aちゃんにやらせようとするのではなく、お母さん自身が楽しそうに演奏していました。
Aちゃんは、そんなお母さんを見ているのが好きでした。
そんなお母さんが大好きでした。
子どもは、「‘この人’と一緒にやりたい」という気持ちを持つと、自然とその活動に向かうようになります。
ことばは無理に教え込むより、‘この人’と一緒に話したいと思ってもらうことが大事です。
楽器は上手に演奏させようとするより、‘この人’と一緒に演奏したいと思ってもらうことが大事です。
そのためには、子どもと‘この人’との関係作りが重要となります。
私たち大人は、子どもたちにとっての‘この人’です。
どのような関係作りを行っていくのかは、個人によって違うと思いますが、子どもにとって、大好きな‘この人’になりたいですね。
2012年1月01日