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投稿者:カトちゃん
題名:否定はしない方がいい
6月になりました。
夏日が増えてきており、体調管理が難しい時期となっています。日々、十分に水分補給を行いながら、この時期を乗り切っていきたいと思っています。
今回は『否定はしない方がいい』という特集です。
先日、犬の散歩をしていたら、1歳半くらいのかわいい男の子とお母さんに出会いました。
男の子はしばらく犬を見ていましたが、その後お母さんに抱っこをせがみながら「ガーガー」と言っていました。
男の子にとっての「ガーガー」は「ねえママ、抱っこして」という意味だったのでしょう。
そのとき、お母さんは「ガーガーじゃなくて、抱っこしてでしょう」と何度も繰り返していました。
でも、男の子は変わらず「ガーガー」と言っています。
そのため、なかなか抱っこをしてもらえませんでした。
私はしばらく、その様子を犬と一緒に、近くで見ていたのです。
こんなときはどうすればよいでしょうか。
この場合、お母さんは「〜じゃなくて〜でしょう」という文法を使っていました。
しかしながら、1歳代の子どもにこのことばはちょっと難し過ぎます。
一生懸命「抱っこ(ガーガー)」と言っているにもかかわらず、抱っこはしてもらえず、「〜じゃなくて〜でしょう」と言われ続ける…ことばはわからなくても、否定されているという雰囲気は十分に伝わります。
そういうやりとりが続けば、当然子どもは満たされない気持ちでいっぱいになることでしょう。
ではどうすればよいか。
ここでは、子どもが「ガーガー」と言ったときに、それは「抱っこして」と言っているんだと考え、「はい、抱っこね」と言いながら、さっと抱っこをしてあげればよいのです。
そもそも、ことばの間違いを指摘し、言い直させるという行為は、どんな場面でもよいことではありません。
それを繰り返していれば、やがて子どもはことばを発することが嫌いになってしまうことでしょう。
そのお母さんは、男の子が「ガーガー」と何回か言った後、抱っこをしてあげていました。
比較的早く抱っこをしたことは、とてもよかったと思います。
他にも、このように「何げなく否定する」ことは日常的に見られることです。
例えば、子どもがぬり絵を一生懸命行い、先生に見せたときに、「じょうずだね。すごいじゃん。あの…ここは赤い色でぬればよかったかな」などと言われる場合がよくあります。
同様に、テストで90点を取って喜んでいる子どもに、「すごいね。よく頑張ったじゃん。この問題を間違わなければ100点だったね」などと言うお母さんもいるでしょう。
どちらも、せっかく褒めたのに、最後にほんの少しだけ、アドバイスをしてしまうのです。
大人の世界では、成果と課題を考えることが大切だと言われています。
それは、大人自身が常に高まりたいと思って、仕事に取り組んでいるからです。
しかしながら、子どもの場合、喜びと問題点を同時に考えることは得意ではないのです。
わざわざ大人に見せるということは、一緒に喜んでもらいたいから行っているわけで、アドバイスを期待しているわけではありません。
何よりも、最初に褒められて、最後に問題点を指摘されると、子どもは最後の指摘だけが頭に残ってしまいます。
つまり、最初に褒めてもらったという部分が、見事に消えてしまうのです。
大人がアドバイスをしたい気持ちはよくわかりますが、そんなに焦る必要はないのです。
嬉しときは、嬉しいで終わりにすればよいでしょう。
それが次に頑張るというモチベーションにつながっていきます。
逆に、しょっちゅう指摘されている子どもは、常に満たされていない気持ちでいるため、頑張るエネルギーがなかなか湧いてこなくなってしまいます。
90点を取ったら「すごいね。びっくりだ。お父さん嬉しい!」だけでよいのです。
課題については、別の機会に考えればよいでしょう。
嬉しい気持ちを誰かと共有することこそが、子どもの自己肯定感をもっとも高めていくということを、いつも考えていければよいですね。
6月もよろしくお願いいたします。
2022年6月01日