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投稿者:カトちゃん
題名:子どもたちは本当に頑張っています(各授業風景)
◎キッズコースの様子
Aくんは4月当初いろいろなオモチャや教材、楽器を手にとっても、興味を示さず見向きもしなかったり、口に入れたり、ポイと投げてしまったり…。
目的的に遊ぶことが難しい様子が見られました。
しかし、こちらがそれらを面白そうに使うところを見てもらい、使い方をわかりやすく提示し続けていったところ、徐々にモノに興味を示すようになってきました。
そして最近になって、誰よりも長時間モノを使って遊んだり、楽器を演奏したりする様子が見られるようになったのです。
すぐに投げていた笛は、長時間吹いて音色を楽しむようになりました。
ブロックや積み木で形を作る遊びでは、車などに見立てて遊んだり、見本カードと同じものを作ろうと、何度も失敗しながら挑戦する姿が見られました。
特にびっくりしたことは、初めて出したオモチャを、いろいろな使い方を試しながらいつまでも遊んでいたことです。
物事に柔軟に取り組めるようになり、しかも集中力が身についてきたのです。
当然情緒も安定してきて、姿勢を保ちながら学習に取り組む姿も見られるようになってきました。
Aくんの短期間でのこのような変化に、スタッフ皆は大いに驚き、喜んでいます。
◎ジュニアコースの様子
最近、対人関係を豊かにするために、2つの活動を重視しています。
1つは2人組による遊びです。
今行っているのは、手遊びや模倣遊びの延長で、「アルプス一万尺」です。
これはいろいろなバージョンがあって、易しいのから難しいのまで、子どもたちに合った活動を提供することが可能です。
まずはスタッフのおにいさん(おじさん)、おねえさんとやりとりをしてから、いざ子ども同士の活動へと移っていきます。
子どもたちを見ていると本当に凄いと感じてしまいます。
なぜなら、自分のことはさておいて、相手がやりやすいように一生懸命手を出したり、タイミングを計ったりしているからです。
大人とやるときはきっと相手に依存する部分もあるのでしょう。
だからこそ、子ども同士の活動の意味は高いのだと思います。
子どもたちは回を重ねるごとに、上達した様子を見せてくれています。
そして、2つ目は集団遊びです。
これは例えばフルーツバスケットや風船バレーボールのような身体を大いに動かす遊びから、じっくりと座って行うトランプまでさまざまです。
フルーツバスケットでは、負けたときの提案がとても面白く、この前などはある子が「バナナなど」と言って参加者を大いに楽しませてくれました。
どうやって動けばよいのか、参加していたお父さんなどは椅子から立ったり座ったり…。
その不自然な様子を見て、子どもたちはお腹をかかえて笑っていました。
トランプ(ババ抜き)も大いに盛り上がります。
自分のところにババがきたときの子どもの様子は本当に面白くて、あからさまに「キャー」とか「ワー」と言う子もいれば、全く無表情の子もいます。
私も毎回思い切り本気で戦うのですが、なぜか結果は思わしくありません。
よく考えてみると子どもたちはゲーム中常に私の顔をチラチラ見ているわけで、その都度表情に出す私は完全に駆け引きに負けているのかも知れません。
その他、頭を柔軟に使うゲームや15分間の苦手克服集中プリント学習など、ジュニアの2時間はあっという間に過ぎてしまいます。
◎音楽療法の様子
毎回最初には歌を数曲歌います。
それがとてもいいのです。
子どもたちは、歌によって身体を揺らしたり、声を出したり、前に出てきてジャンプしたりといろいろな表現をしてくれます。
じっとしている子も、曲の終わりになるとそれまでとは姿勢を変えるので、それまでよく聴いていたことが伝わってきます。
ピアノを弾く私(加藤)と歌を歌う藤江を交互に見ては、なにやらニヤニヤしている子もいます。
私は弾くときに子どもを見ながら弾いていますから、強弱やテンポや曲調を変えるもの誰か子どもの様子に合わせて行うようにしています。
だから、一見して全然参加していない子が、実は誰よりも参加しているというのは、曲の変化に「こっちを凝視」という態度で応えてくれるので、とてもよくわかるのです。
最近は楽器演奏にいく前に、絵描き歌を取り入れることがあります。
これが子どもたちにはとても好評です。
動作、話す、歌う、楽器演奏だけでなく、「描く」ということも子どもの大切な表現手段です。
この前描いた「魚の骨」では、思わぬ表現をしてくれる子もいて、スタッフを大いに驚かせてくれました。
とにかく、子どもはボードに絵を描くことがとても好きなのですね。
これからもいろいろは表現手段を発揮できるよう、考えていきたいと思います。
そして最後の合奏はいつも大いに盛り上がります。
その場にいる子、保護者、スタッフなど全員が一体感を持つことができ、一緒に盛り上がり、一緒に終わることができるのです。
曲が終わり、1〜2秒の沈黙の時間を共有する瞬間はまさにそのことを、身をもって実感することができます。
そして、それは音楽場面でしかできないことなのだと思います。
だからこそ、音楽療法の時間は子どもたちが大好きな時間になっているのだと思うのです。
(保護者の方の中にもこの時間の素晴らしさを実感してくださる方がおられ、多くの方が「私が癒されるために来ているようなものです」とおっしゃってくれます。)
2007年10月15日
投稿者:カトちゃん
題名:日々成長する子どもたち!
いつも思うのですが、私たちセラピストにとって子どもと一緒にいるときほど、さまざまなドラマが生じる時間はありません。
つい先日の個別セッションでも、本当に貴重な体験を得ることができました。
Aくん(5歳)はこの4月からビリーブに通ってきている幼稚園の年長さんです。
幼稚園の他にも通園施設に通っており、そこで保護者相談やいくつかのトレーニングを受けています。
ビリーブには週に1〜2回通ってきています。
入室当初は、結構マイペースの部分が強くて、自分の気に入ったおもちゃなら自分の気に入った方法で遊ぶことはできますが、こちらが少しでもかかわろうとすると泣いたり怒ったりして強い拒否を示しました。
積み木では、自分の気に入った形(立方体)のみを積み上げ、毎回気に入った形(真ん中だけ抜いた真四角)に仕上げる、といった感じでした。
それ以外の活動では、こちらがいろいろと提案をするのですが、ほんの少しかかわってはすぐにやめるということの繰り返しでした。
楽器にはほとんど興味を示さず、触れることはもちろんのこと、こちらが音を出すだけで席立ちして大いに拒否をアピールするといった具合です。
そのため、まずはAくんのペースを大切にし、Aくんにとことんつき合いながら、徐々にこちら側の提案を行っていこうという方針でセッションを進めることにしました。
あれから、数ヶ月が経ちました。
つい最近の様子は…。
先日もいつもどおり、Aくんとの時間がスタートしました。
最近は歌の活動からスタートします。
お気に入りの歌が何曲かあって、この日も「歌えバンバン」「ゆかいに歩けば」などを歌い始め、10分ほどの間に5曲歌いました。
歌の間のAくんはどうかと言えば、伴奏を弾いている私の方を何度も見たり、盛り上がりの部分で身体を左右に揺らしたり、歌っているセラピストの口元を見て自分の口を動かしたり、喜びの声を出したり…。
とにかく安心感たっぷりに参加し、しかも上機嫌なのです。
歌が終わって、次の活動の準備をしていると、Aくんがおもむろにキーボードのところに近づいてきました。
何をするのか見守っていると、鍵盤に手を置き、音を出し始めたのです。
初めてのこの出来事に大いに驚き、しばし目を奪われていた私ですが、ふとAくんの手の動きを見てみると、ただバンバンと手のひらで叩いているのではなく、手首を少し上げ5本の指を立てて、まるで大人が弾いているように5本指を動かしているではありませんか。
これには本当に驚きました。
ふだん、歌の最中私の方をよく見ていましたが、向かい合って弾いていた私の指の動きもきちんと見ていたわけです。
最近、動作模倣が出始めたAくんですが、自分の気に入った動きならこんなに複雑な動きもできるようになったのですね。
こういう場面に遭遇するにつけ、子どもは本当に自分たちの枠組の中に収まりきらないのだなぁと強く感じる次第です。
その後、4月には考えられないほど、いろいろなものに集中して取り組んだAくんですが、途中行った「ひも通し」ではまたまた驚かされてしまいました。
一緒に30センチくらいのひもを持って、いろいろな形のビーズ(大き目です)を通し始めました。
Aくんは「同じ形のものを次々に通す」という法則で行っていましたが、数が足りなくなるとしばらく考えてから別の形のものを通し始めました。
このような柔軟性はちょっと前に比べて大きな変化です。
以前なら、自分の意に反したことが起きると、それまでやっていたことをすべて壊してしまい、怒ったり泣いたりして続かなかったのですから!
ひも通しは着々と進み20センチくらいにきたときでしょうか。
手元がすべって、床に落としてばら撒いてしまったのです。
そのとき、「あ〜、これはたいへんなことだ」と思ったのは、私ともう一人のセラピストだけでした。
Aくんは「あっ、落ちちゃった」という感じで下を見たあと、何事もなかったかのようにビーズを1つ1つ拾い始めたのです。
本当に子どもってすごいですね。
もっともっと子どものことを信じなければと大いに反省させられました。
そして、何度か落として、やっと30センチ近く出来上がったとき、ひもの両端をくっつけようと躍起になっているAくんを目にし、「貸して」と言ってひもを結びました。
輪になったひもをしばらく眺めていたAくんですが、そのあとにとった行動がまたまた私たちを大いに驚かせてくれたのです。
何と、そのビーズの輪を私の頭に乗せようとして一生懸命背伸びをしているではありませんか。
私が屈むとAくんはそれを頭に乗せて、いい子いい子という感じで頭を撫でてくれました。
もうこのときの気持ちと言ったらことばで言い表すことができません。
マイペースがとても強く、自分の世界の中で過ごしていたAくんが、人と一緒に歌を歌い、ものを作り、このようなやりとりをしてくるのですから。
お母さんのお話では、幼稚園でも遊びが広がり、周りの子とのやりとり場面も増えてきたとのこと。
この他にも、日々ビリーブに来ているたくさんのお子さんと、素敵なやりとりの時間を過ごしています。
これからも、ビリーブで学んだことが、幼稚園や学校で生かせるよう、日々の授業を充実させていきたいと思っています。
すぐに成果は出なくても、子どもは必ず成長していますから!
2007年10月04日
投稿者:ミカっち
題名:折り紙のすもう
先日のジュニアクラスの授業で、折り紙のおすもうさんを作りました。
ビリーブでは、折り紙はよく取り入れ活動で、特にジュニアの子どもたちには、作った後に遊べるものを題材にしています。
この折り紙。伝統的な遊びのひとつですが、実はとてもいい教材なのです。
細かい作業を行うことで手先の操作性を養うことはもちろん、順番に折っていくことで継次的な力(物事を一つ一つ順番に処理する力=例えば文字を正確に書く力など)を養い、先生の折る見本を見ながら自分も折ることで協応力(〜しながら〜する力)を高めることなどができます。
折っている最中は、「分かんない〜」などと言ってあきらめそうになる子、一生懸命見ながら必死に折る子、反対側に折っても気づかず進めようとする子・・・様子はさまざまです。
何とか全員折り終わり、自分の作ったおすもうさんの完成を喜んだり、皆で見せ合ったりしてしばし息抜き。
そして、いよいよお待ちかねのすもう大会に続きます。
二人ずつ前に出てきて、箱の上に丸い紙を張って作った土俵に、お互いの力士を置いていざ取り組み。
この時点でも、反対向きに(背中を向けて)置いてしまう子や、
置いただけで倒れそうになり必死に補強する子・・・などがいて、取り組みまでちょっぴり時間がかかります。
やっと場が整い「はっけよい!のこった・・」の掛け声とともに、箱の上を叩いて対決です。見ている子どもたちは、「頑張れ〜」と応援。
調整の苦手な子は箱を強く叩いてしまいがちなので、「ピアノを弾くように、そっとね」などと声かけします。
そして取り組みが終わり、自ずと勝敗が決まります。
勝った子は大喜び、負けた子は「次、頑張る」と必死に悔しさを堪えます。
ここで発見。
つい最近まで、じゃんけんで負けただけで、「もうやらない」と泣いてくさってしまっていた子が、今回は負けても「この折り目があまかったからかな〜」など言いながら必死で堪えています。
いろいろな体験をする中で、培われてきた力だと思います。
このような様子を見るたび、子どもたちは本当に頑張っているのだと改めて実感します。
一生懸命、葛藤しながら、必死で頑張っているのです。
折り紙のすもう、という単純なひとつの遊びですが、いろいろな要素がたっぷり含まれた、とてもよい活動となりました。
2007年10月01日