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投稿者:カトちゃん
題名:保護者の方から学ぶこと

ビリーブにはたくさんの子どもと保護者の方がいます。
どの保護者の方も本当にお子さんのことをよく考え、愛情溢れる熱心さで育てられています。
その姿勢から私たちスタッフは多くのことを学ばせてもらっています。

ある保護者の方は…運動を不得意としているお子さんが、唯一やりたいと主張したカヌーに注目し、それをするためにあちこち奔走して、出来る場所を見つけた!と保護者ノートで知らせてくれました。
機会あるたびにお父さんと一緒にカヌーに行っているとのこと。
そこには、そのときの様子が本当にいきいきと書かれているのです。
子どもがこうやって漕いで、お父さんがそれを追いかけて…。
その文章が本当に嬉しそうなのです。

私はノートを読んで大いに感動しました。
このご家庭は、お子さんにいろいろな経験をさせるという点では、おそらく誰も右に出る人はいないというほど、頑張っていらっしゃいます。
でも、本当に大切なことは、何かをたくさんさせるということではなく、このようにお子さんと一緒に参加し楽しんでいるという、共に過ごす姿なのだと思います。
そこには、子どもからいろいろなことを教えてもらっている、という気持ちが伝わってくるのです。

他にも、このようなことがありました。

ビリーブに通っているBくんは、特別支援学級に在籍しています。
そのBくんのことを、なぜかよく思わず、本人や周りにネガティブなことを言ってしまうクラスメイトのCさんのことを、Bくんのお母さんは悩んでいました。
そして、お母さんはいろいろ考えた末、CさんをBくんの日頃の遊びの場面に誘うことにしたそうです。
Bくんのいいところも、そうでないところも、2人が一緒に過ごすうちに、Cさんに知ってもらえるのではないか…。
この発想は素晴らしいと思います。
なぜなら、多くを知ってもらえば、いろいろな誤解は解けるはずだからです。

そして、発想の素晴らしさもさることながら、これを本当に実践してしまうパワーに脱帽してしまいます。

一口に遊ぶと言っても、準備やら環境作りやら、いろいろな意味で大変さを伴うはずです。

そして、Bくんのお母さんはこのことをさらに発展させて、Bくんのお父さんをも巻き込み、お父さんの誕生パーティーにCさんを誘ったとのこと!
Bくんの喜ぶ姿が目に浮かびます。

今後の展開を大いに楽しみにしています。


このように、日々私たちは保護者の方から多くのことを学ばせてもらっています。

保護者の方が、本気で生きている姿を見せてもらい、だからこそ、表面的にいいことだけをお話することはやめるようにしています。
多少言いにくいことも、素直にお話しするようにしていますが、それを受け止めていただき、心より感謝している次第です。

先日も、ちょっとことばがけが多かったお母さんに、具体的にお願いをしたところ、1週間頑張ったというお話をいただきました。
そのお子さんは、その1週間で、自傷行為が大幅に減ったとのこと。
本当によかったと思います。

1つ言えることは、そのお母さんは決して間違っていないということ。
お子さんに対する愛情や子育ての熱意は誰よりも強いものを持っているのです。
お母さんよりも、距離を持って見る立場にいる私たちが、ちょっとだけお話をさせていただいただけのことです。

保護者の皆さん。

これからも、いろいろなことを教えていただければと思います。
お父さん、お母さんにはかないませんが、私たちもお子さんを大切に育てていくお手伝いをさせていただきたいと思います。

2008年10月19日

 

投稿者:ミカっち
題名:子どもを見る目2

前回、子どものマイナス面を指摘するより、プラスの面を見ていくことを大事にしたい、と書きました。
では、苦手な部分は放っておいてよいのかというと、それもまた違います。
得意なことを大事に伸ばしつつ、やはり苦手な部分も改善していく必要があるでしょう。

苦手部分は個々のお子さんによって違いますので、ビリーブでは保護者や幼稚園・学校の先生とお話させてもらい、具体的な手立てを考えています。
大切なことは、その子にあった適切な援助を行っていくことです。

例えば、文字を書くことが苦手なお子さんの場合。
苦手だからと、ただひたすら書かせることを行っていればよいかというと、そうではありません。
これでは、余計に文字を書くことが嫌いになってしまいかねません。
この場合、なぜ書くことがうまくいかないかを探ることが大事になってきます。
・目で見たことをすぐに覚えることが苦手なため書くのが遅い
・形を正確に捉えることが苦手なため書き写すことが難しい
・目と手の使い方がうまくいかないため、姿勢がくずれたり筆記具をうまく使えない
・空間を捉える力が弱いため、うまく用紙の枠内に収められない
など、さまざまな理由から書字の困難さはあらわれてきます。

ここから、具体的な手立てを考えていくのです。
例えば、覚える事柄を意味づけで覚えやすくする、見本をなるべく子どもの近くにおいて見やすくする、筆記具を使いやすいものに替えるなど、さまざまな支援方法が考えられます。

さらに、ビリーブではこの土台作りにも時間をかけています。
空間を捉える力が弱いお子さんには、積み木やブロックを使った見本合わせの活動を行ったり、手先の不器用さがあるお子さんには、いろいろな操作の伴う楽器や教材を使用した活動や手遊びなども行います。
つまり、直接的な活動(=書くこと)を行うと同時に、その基礎力を養う活動(=書くために必要な力)も行うのです。

しかし、教室での支援方法と長い時間を過ごす学校や家庭での支援方法が違ってしまうと、子どもは混乱してしまいます。
そのため、保護者のかたとお話をし連携を取る事がとても大事だと考えています。

子どもは日々成長しています。多くの目の中で育ちます。
子どもの今を大切にするとともに、長い将来を見て、大事なことを考えてあげられるとよいですね。


≪連絡事項≫
ビリーブでは、1月に保護者勉強会を開催する予定です。
キッズ、ジュニアの方を対象としていますが、定員に空きがあれば他コースの方も参加できます。
詳細が決まり次第、授業の際にお知らせいたします。

2008年10月13日

 

投稿者:カトちゃん
題名:頑張る子どもたち!

先週、今週も連日たっぷり授業&セッションが入っています。
いろいろなことがありましたが、子どもたちは皆自己主張をしながらも、一生懸命大人や周りのペースに合わせようと頑張っていました。
好きなこと、得意なことなら、どんどん受け入れることもできますが、苦手なことや自分の興味の範囲を超えたことは、どうしても向かう気持ちが少なくなってしまいます。
そんなときでも、こちらの駆使したあの手この手の取り組みをスムーズに受け止め、多くのことを取り入れてくれるようになるのです。
そして、いつの間にか、周りの子どもたちよりも楽しそうに活動していることがあるから、子どもって本当に不思議で凄いなあと感動してしまいます。

保護者の方も、とても協力的で、子どもの活動を陰ながら支えてくれています。
私が一番凄いと思うのは、子どもがほんの少し頑張ったことを、心から嬉しいと表現してくださることです。
その様子を見ながら、親御さんにはかなわないな〜と敗北感を味わいつつ、でも自分の役割はそういう親御さんと子どもの関係を作ることだと、気を取り直しているのです。

プリント学習などを行うとき、注意することがあります。
それは、子どもの間違いを的確に指摘しすぎないことです。
80%正解していて、残りの20%が不正解だったとき、私たちはどうしても20%に目が向いてしまいます。
でも、長い目で見ると、そのようなことはほんの小さなことで、80%に感動し、それらを定着させた方が余程子どものためになるということを、私たちは長年の経験から学んできました。
20%の間違いを指摘しないということではありませんが、間違えるにはちゃんと理由があるのであって、完璧に指摘してもそれらが定着するための土台が備わっていないと、ただ「言われた」という印象だけが子どもに残ってしまいます。

そうなるとどうなるかと言うと、子どもは勉強に対する知的好奇心が減退してしまい、とにかく「保護者のために」正解することだけを求めるようになります。
そうなると、子どもは学んでも、学んでも楽しそうではないという状態が続いてしまいます。
楽しそうでない子どもは、学んだことがなかなか定着しません。
覚えたことも、ほんのちょっと聞き方を変えただけで全然答えられないということが間々生じるのです。

本当に学びたいから学んでいるか、させられているかは、授業に参加している子どもの目を見れば一目瞭然です。
私たちスタッフが一番求めていることは、勉強したいという気持ちを育てること。

それは、障害があるなしにかかわらず、誰もが持っている力なのです。
正確に解答しようとして多くのものを失うよりも、「これは面白い」「もっと知りたい」と思う気持ちを育てた方が、結局は後々その子は伸びるのです。

間違えてもいいんだよ、という気持ちが育ったとき、子どもは多くのことを自分から学ぼうという気持ちになります。
そうなると、子どもは勉強の力だけでなく、生きていく上でとても大切な「自分や他人を信じる力」「自分でやりたいことを選ぶ力」「つまずいたときに立ち直る力」を身につけることができるのです。

授業中は、どんなことがあっても、子どもの小さな頑張りを心から褒めてあげてください。
これはビリーブスタッフからの心からのお願いであり、あとはこちらにお任せいただければ責任を持ってお子さんを育てていきたいと思います。
2年後、3年後の子どもの成長につながるために、これからも引き続き「子どもの今」を温かく見守っていただければと思います。

2008年10月01日