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投稿者:カトちゃん
題名:あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
ビリーブがスタートして、もうすぐ丸5年を迎えようとしています。
ありがたいことに、ビリーブにはスタート当時からたくさんのお子さんに通って来ていただいています。
そして特に昨年は、これまでにも増して多くの方から問い合わせをいただき、体験授業が目白押しの一年となりました。
臨床機関として、一人でも多くのお子さんのお役に立てるということは、この上なく嬉しいことであり、臨床家冥利に尽きる思いです。
皆様には、心より感謝申し上げます。
ビリーブでは、お子さんたちの発達全般へのサポートを行うべく、臨床に取り組んでいます。
それは、できないことができるようになるという「目に見えるサポート」ではなく、20歳ぐらいになったときに十分に輝いて、思う存分に力を発揮できるための「長いスパンのサポート」をとても重視しています。
もちろん、その過程では、できることは徐々に増えていくことでしょう。
あるいは、問題行動が減ってくるケースも考えられます。
ただ問題行動をなくすことだけを目的にして、日々の臨床を行っているわけではありません。
問題行動は、単に「問題だ」と決めつけるのではなく、ある意味で必要だから生じている、という部分にも注目しなければならないでしょう。
また、子どもにとって、急激な変化は不自然であり、後々に別の形になって表れることも少なくありません。
本人が全く希望していないことを、無理にさせても、よい結果にはつながりません。
モチベーションがあって初めて、子どもは大きく育ちます。
モチベーションは、例えば「それが楽しいから」ということであってもよいわけです。
そのため、どの活動も、子どもたちが「思わずやりたくなる」ように設定することを目指しています。
緻密に計画された臨床場面を、たとえできなくても「まあいいさ」という、肩の力が抜けた雰囲気の中で行ってこそ、子どもは「楽しいからやりたい」というやる気を出してくれるのです。
目の前のことができる、できないなど、長い人生からすれば大したことではありません。
それよりも、大人になってから、安定した気持ちで人と穏やかに楽しくかかわることができる方が、どれだけ大切なことと言えるでしょうか。
少しくらい問題行動があっても、よいのです。
そのことをなくすことに躍起(必死)になることで、どうしても子どもへのかかわり方が激しく(強く)なってしまいます。
たとえ、問題行動はなくなっても、他に失うものが多かったら、そんなかかわり方が正しいと言えるでしょうか。
私たちは何も、甘やかせばよいと言っているわけではありません。
よくないことをすれば、毅然と注意することは当たり前だと思っています。
へらへらと叱ることほど、子どもに失礼なことはないでしょう。
子どもが大人になって人とうまくやっていくためには、子ども自身が小さいころから主体性を持って行動し、自分に自信を持って生きていかなければならないでしょう。
あるいは、多少の困難に対し、自分の力で解決していくという体験も不可欠です。
(少し周りに手伝ってもらってもよいでしょう。その際、その手伝いはできるだけ気づかれないようにしなければなりません)。
発達的な視点を十分に取り入れつつ、目の前のことができるようになるという狭い臨床に陥ることなく、将来の素敵な自分に向けた臨床を、これからも、一番の目標に置きながら、ビリーブでは日々の実践を行っていきたいと思っています。
今、体験待ちの方が多数いらっしゃいます。
お子さんによっては、2〜3か月待ちになってしまうかも知れませんが、もう少しお待ちいただければと思います。
お子さんは、私たちの臨床だけで変わるわけではありません。
人が育つということは、そんなに簡単なことではないのです。
私たちと、保護者の方が同じ思いを抱き、ある一定の期間、一緒に協力しながらお子さんを育てる中で、少しずつ少しずつ変化していくのです。
そして、少しずつ自信を身につけていくのです。
今年も、そのような思いで、日々の活動を提供させていただきたいと思っています。
最後に、私事ですが、只今『<特別支援教育>学びと育ちのサポートワーク2 かずへの準備・チャレンジ編』を執筆中です。
前著(もじへの準備・チャレンジ編)の続編です。
発刊まで、あとしばらくお待ちいただければと思います。
本年もよろしくお願い申し上げます。
2012年1月02日
投稿者:ミカっち
題名:Aちゃんから学んだこと
明けましておめでとうございます。
本年も、子どもたちと保護者の皆さまのため、スタッフ一同頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
私事ですが、この時期になると必ず思い出すできごとがあります。
今から7年前、ビリーブの大事な生徒であったAちゃんが、病気でこの世を去りました。突然のことで、とても悲しいできごとでした。
私は、Aちゃんが幼児であった頃から、10年以上かかわらせてもらいました。
Aちゃんは自閉症のお子さんで、障害は重く、ことばはありませんでした。
でも、ことば以上のコミュニケーション力を持っていて、とても豊かなかかわりができました。
Aちゃんは、お母さんのお手伝いをたくさんしていました。
洗濯物は、たたみ方を教えてもらうと、全部なくなるまで黙々とたたみました。しかも、嫌々行うのではなく、綺麗にたたむことを楽しんでいる様子でした。
Aちゃんは、解らないことやできないことがあると、周りの大人の手を引いて「教えてほしい」と要求しました。
何かできないことや、思いどおりにいかないとき、怒ったりせず、上手に人を頼ることができました。
Aちゃんは、音楽が大好きでした。
私たちが歌うと、合わせて身体を動かし、部分的に声を出していました。
音楽が流れると、リズムやテンポに同期し、自然に身体が揺れるようでした。
Aちゃんはよく笑いました。
楽しいことや嬉しいことがあると、大きな声を出して、よく笑いました。
周りもつられて笑いました。
Aちゃんは、嫌なことがあると上手に拒否をできました。
穏やかな声で、「ああ(いや)」と伝えられました。
Aちゃんのことを語ると、何時間あっても足りないくらいです。
私はAちゃんに、本当に多くのことを学ばせてもらいました。
直接伝えられないのは残念ですが、とても感謝しています。
人と過ごすことが好きで、周りを楽しませてくれ、ことば以外の方法で自分の感情や思いを伝えられるAちゃん・・・。
彼女がもし成人になっていたら、きっと周りの人とうまく過ごし、作業も上手にこなしていたと思います。
Aちゃんのお母さんは、Aちゃんに何かを(無理に)習得させようとはしていませんでした。
代わりに、いろいろなことを、一緒に行っていました。
一緒に経験し、笑ったり、泣いたり、楽しんだり、ドキドキしたり、怒ったり・・・。
音楽場面でも、Aちゃん以上にお母さんが身体を動かして曲に乗っていましたし、歌っていました。
楽器も、Aちゃんにやらせようとするのではなく、お母さん自身が楽しそうに演奏していました。
Aちゃんは、そんなお母さんを見ているのが好きでした。
そんなお母さんが大好きでした。
子どもは、「‘この人’と一緒にやりたい」という気持ちを持つと、自然とその活動に向かうようになります。
ことばは無理に教え込むより、‘この人’と一緒に話したいと思ってもらうことが大事です。
楽器は上手に演奏させようとするより、‘この人’と一緒に演奏したいと思ってもらうことが大事です。
そのためには、子どもと‘この人’との関係作りが重要となります。
私たち大人は、子どもたちにとっての‘この人’です。
どのような関係作りを行っていくのかは、個人によって違うと思いますが、子どもにとって、大好きな‘この人’になりたいですね。
2012年1月01日