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投稿者:カトちゃん
題名:対人関係の力が育つということ
子どもたちのかかわりの中で、日々いろいろなことを考えさせられます。
もう何年もビリーブに通って来ている、小学校の通常学級(中学年)に通っているAくんは、ここのところ、いろいろな面で大きな変容を見せてくれています。
まだビリーブに来たばかりの頃は、自分のことで精いっぱいで、こちらのペースに合わせることはなかなかできませんでした。
表情もあまり出さず、淡々と授業に参加し、終わると逃げるように帰っていきます。
身体接触的なかかわりを好まず、他児の失敗に敏感で、ことばで指摘するということが頻繁に見られました。
そのAくんが、確実に育ってきたのはわかっていたのですが、つい最近の様子を見ながら、改めてその変化の大きさに驚いています。
まずは、こちらや他児のペースに合わせることが圧倒的に上手になってきたということ。
上手というよりは、周りからの働きかけを待っていて、それに応じることをAくん自身が楽しんでいるのです。
まだ、どちらかと言えば、大人の行動に注目する割合が高い面は見られますが、子どもへの興味も格段に高まってきています。
例えば、他児とのアルプス一万尺では、うまくいかないことを、相手と一緒に笑い合いながら、何とか形を保とうと一生懸命になっているのです。
次に、身体的なコミュニケーションを大いに好むようになったということ。
以前は、人が近づくだけで、逃げるような仕草をしていたAくんでしたが、今では、自分から相手に接近し、体を触れ合うことを大いに求め、それを心から楽しんでいるのです。
先日も、私(加藤)が「大事な話がある」と言って、おでことおでこをくっつけて、「むにゃむにゃ…」と無意味なことを言うと、それを大いに楽しみ、「先生!大事な話はないの?」と何度も求めてきました。
さらに、いろいろな活動に対して、興味を持つようになったこと。
以前は、興味の範囲が狭く、活動によっては「それつまらない」と言ったり、あからさまに興味のなさそうな顔をしていましたが、今では、「次は何かな?」と、全ての活動を心待ちにしている様子が見られるのです。
どんな活動も、楽しみ方があるということを理解するようになったという点で、将来、いろいろなことに挑戦するための土台につながっていくのでは、と大いに期待しています。
そして、極めつけは、活動がすべて終わって帰る時間になっても、名残惜しい様子を見せて、なかなか帰らない…。それどころか、玄関でも、自分からふざけたりして、皆を楽しませようとするということ。
これは、Aくんが見せたもっとも大きな変化と言えるでしょう。
以前は、帰り際に声かけをしようものなら、「なんてことをするんだ」という顔で、全力で玄関から飛び出して行ったのですから。
相手との冗談や余韻を楽しめるということは、対人関係でもっとも豊かな部分が育ちつつあると言えるのかも知れません。
学校でも、いろいろな相手といろいろなかかわりができるようになってきたという様子を、保護者の方からお聞きしました。
勉強も大切ですが、このような、対人関係の力は、Aくんが将来社会で生きていく上で、もっとも必要な力になってくるのだと思われます。
前から、かわいいAくんでしたが、ここにきて、そのかわいさは富士山のように大きくなっています。
周りの人に、「かわいがられる」人柄が育つことは、ビリーブで一番の目標にしているところであり、Aくんの育ちを見ながら、一人でも多くのお子さんがこのような育ちに結びつけばいいなと感じる次第です。
Aくんありがとう。
そして、同じように育ちつつある他のかわいい子どもたちにも、ありがとう!
2013年7月01日