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投稿者:カトちゃん
題名:何でもちょっと足りないぐらいがいい
子どもと接していて、いつも感じることがあります。
それは、何でもやり過ぎないということ。
例えば、何か課題をやっていて、あと2つ頑張ればキリがいいというときに、多少時間をオーバーしてもやり遂げるよう促してしまう…。
そんなことはありませんか。
よくありそうなことですが、そこはぐっとこらえて、ちょっと少なめでも、そこで終わりにするといい…私は経験上、強くそう感じています。
なぜなら、何かを十分にやり過ぎてしまうと、その日はそれでいいのですが、次にその課題に向かおうとしたときに、新鮮味、すなわち、「やりたいぞ〜」と思う気持ちが、大幅に減少してしまうことが多々見られるからです。
一方、少し足りないぐらいでやめたときは、「まだやりたかったな〜」という気持ちが残っていて、実は、そのことが次への意欲へと大いにつながっていくのです。
何でも、継続して行った方がたくさん身につくわけですから、その日だけを充実させるのは得策ではありません。
常に、長く続けるという視点を持つことが大切です。
これは、会話にも言えることです。
子どもにたくさんしゃべりすぎると、子どもは相手の話を注意深く聞かなくなることがあります。
あるいは、ずっとしゃべられると、子ども自身が自分が考える余地がなくなってしまい、思考を停止させてしまうことが見られます。
会話では、話と話のキャッチボールの隙間の考える時間が大切になってきます。
その意味から、会話は多少少なめの方がいいのです。
足りないから、子どもは何とか自分で考え、補おうとするのです。
あるお母さんに、今話している量の5分の1に減らしてみましょう、とお願いしたところ、子どもは、よりお母さんの話を集中して聞くようになり、それまで出ていなかったことばが日に日に増えていったのです。
話しかける量が多いから、子どもは話すようになるのではなりません。
量よりも、質の方がずっとずっと大切なのです。
何でも、ほどほどに、少し足りないくらいがいい…それが私の信条です。
2015年9月22日
投稿者:カトちゃん
題名:身体の受け入れは大丈夫ですか?
多くの子どもと接しながら、いつも感じることがあります。
それは、対人関係が苦手な子の多くが、身体への受け入れに課題が見られるということです。
人と身体をぶつかり合って接することを避けたり、誰かにちょっと触られただけで大袈裟に身体を逸らしてしまう…。
あるいは、手遊びをする際、相手と真正面に向き合えず、斜め横をずっと見続けていたり、楽器を触るとき、手全体を使わず指先を少しだけ触れる程度でやめてしまう…。
このように、自分の身体を全面的に使わず、躊躇し、少し警戒をしながら使う子どもは、なかなか相手とスムーズにかかわることができないようです。
しかし、口が達者であったり、いろいろなことを知っているため、一見、相手ともうまくかかわれそうに見えてしまいます。
そのため、相手が自分の方に介入してくる機会が多く発生し、そうなったら、もう大変です。
人が苦手なのに、相手はどんどん自分の方にやってくるわけですから。
そんなとき、ことばでやりとりをすればする程、うまくいかなくなってしまいます。
課題は「身体」なのですから。
まずは、その子が主体的に触れられる範囲で触れていく。
そして、こちらも、その子が受け入れられる範囲で、距離感を縮める。
あるいは、受け入れられる部位から、身体的な接点を持っていく(いつでも離せるようにして、手をつなぐ、など)。
そうやって、徐々に身体の受け入れを高めていくことが大切になってきます。
対人関係の他にも、発達的な課題が、「身体」に起因していることがたくさんあります。
身体の使い方が苦手な子は、どうしても、目の使い方や手の操作などに課題が見られます。
それが、学習面のつまずきにも関係してくるわけです。
今一度、お子さんの身体に注目してみてはいかがでしょうか。
2015年9月16日
投稿者:カトちゃん
題名:ハンバーガーショップでの出来事
ある日のこと、ちょっとした用事の帰りにハンバーガーショップに立ち寄りました。
お気に入りのハンバーガーを食べ、コーヒーをちびちびとすすりながら、しばし読書や原稿書きを行っていました。
30分くらい経ったときに、1組の父子が店内にやって来ました。
お父さんの持つトレイには、ところ狭しとハンバーガーやポテト、飲み物がのっています。
子どもは小学校の高学年くらいのダウン症の男の子でした。
比較的、私の席の近くに座ったので、その様子をながめていました。
すると、どうでしょう。
男の子が手に持ったはずのハンバーガーのパン半分と大事な大事なお肉が、するりと手をすりぬけ、床に落下してしまったのです。
これはもう大事件です!
本人たちよりも、私の方が動揺し、手に汗握り、これからどうなるのか見ていると…。
お父さんが落ちたパンとお肉をちらりと見て、その直後にさっと拾い上げ、すぐに別のハンバーガーを男の子に渡したのです。
声も出さず、まるで落ちるのを予想していたかのように、ごく自然に行われた、流れるようなその所作に、私は大いに驚いてしまいました。
男の子はと言えば、父親から新しいハンバーガーを受け取り、その瞬間に父親をちらりと見つめ、包み紙を、今度は丁寧に広げて、美味しそうに食べ始めました。
そのとき、2人の間に漂う空気は、近くにいる私の方にも十分に伝わってくるほどの、温かく心地よいものだったのです。
私以外の周囲の人も、その空気につられてか、何となく楽しそうな表情をしていたように映りました。
場の空気を明るくしてくれたといっても過言ではないでしょう。
その後2人は、1つのポテトを交互に頬張り、互いに安心感を確認しているかのように何度も目を合わせ、やがて、楽しそうに一緒に帰って行きました。
親子って本当に素晴らしいですね。
読書よりも、より勉強になった、ハンバーガーショップでの出来事でした。
2015年9月09日
投稿者:カトちゃん
題名:ワークの種類が大幅に増えています
暑くて、途中から涼しくなった夏休みが終わりました。
過ぎてみればあっという間のような気がします。
皆さんは、充実した休み期間を送ることができましたか?
9月からも、新たな気持ちでよろしくお願いします。
今回は、ビリーブで使用しているワークについてお知らせさせていただきます。
ビリーブでは、活動中、ワークに取り組む時間を設けています。
一言でワークと言っても、様々な種類があります。
学習の前段階のもの…
国語や算数などの、教科学習に関するもの…
作文や算数の文章題につながるための、やや高度な内容のもの…
イメージする力を身につけるための描画やぬり絵…
対人関係やソーシャルスキルの力を身につけるための文章や描画…等々。
ビリーブはいわゆる学習塾ではありません。
学校の授業の補修やより進んだ内容を行うということを目的とし、臨床を行っているのではありません。
お子さんの、対人関係や情緒の安定、持っている知的な部分を高め、よりスムーズに発揮できることを何よりの目的としています。
とは言っても、お子さんがスムーズに生きていくために、自然と学習面の不得手な部分に焦点を当てる形になることがあります。
それは、市販のワークのようなことを行うというよりは、そのお子さんに合った内容のワークをビリーブ独自に作りだし、体験してもらっているということです。
学校で行われる学習の内容は、確かに細かい内容になっていますが、ビリーブに通っている多くのお子さんにとっては、やや粗い、という現状があります。
一見細かく、段階的に進んでいるようで、ある部分では、ピョーンと飛び越えてしまうことが多いのです。
そのため、子どもたちがそこからなかなか先に進めなくなってしまいます。
その意味から、お子さんの様子に応じて独自に教材を作り出すことが不可欠になってきます。
そのため、ビリーブには教材部屋があって、その部屋の壁一面にワークがずらりと並んでいます。
数百種類はあるでしょうか…。
ワークだらけで部屋はどんどん手狭になってしまいますが、増えていく分、それらはビリーブの貴重な財産となっています。
具体的には次のように使用しています。
例えば、文字の読み書きが難しいお子さんには、しばらくの間は文字には全く触れず、書く力(視覚−運動系)や形や絵を見分ける力(視知覚系)を、楽しく行います。
そして、他の活動(ブロック遊びや楽器遊びなど)と並行して行えば、2〜3か月もすれば、自然と文字の操作ができるようになってきます。
それは、算数の文章題が苦手なお子さんに関しても同じです。
ごく簡単な文章題を、絵を描きながら自分で作りだし、並行して計算の力を高めたり(必ず具体物を使って操作します)、あるいは国語の文章読解を丁寧に行う中で、いつの間にか、苦手だった文章題が好きになってくるのです。
ワークはただ子どもに与えて、必死に教え込むのではなく、理解するためのプロセスをよく練って、ワークだけではなく、具体的な操作を大いに伴いながら、一緒に行っていくことが、とても有効になってくるのです。
尚、ビリーブで作成したワークの一部は、書籍として販売していますので、参考にしてください。
9月からも、朗らかに、頑張りましょう。
2015年9月01日