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投稿者:カトちゃん
題名:思い通りにならないことだってあるんだよ

子どもを理解し「寄り添う」ことは、子育てにおいて、もっとも基本的なことだと言われています。

それがなければ、子どもは安心感を得ることは難しいのだと思われます。
安心感は人が育つ上で、大きな力になるわけですから。

しかし、どんな場面でも子どもの気持ちを汲み取り、寄り添えばよいかと言えば、必ずしもそうとは言えないようです。

ビリーブでは、次のようなエピソードによく出合います。

支援学校の小学部に通うAくんは、ときどき弟(小学生)と一緒にビリーブにやって来ます。

その日も2人は一緒に来て、授業の前に何やら楽しそうに過ごしていました…。

弟が床マットを組み立ててトンネルを作り、その中をもぐっていると、Aくんがやって来て、突然マットを壊したのです。
そして、壊したマットを自分なりの「手続き」で、トンネルとは全く違う形に直そうとするではありませんか。

それを見た弟は、もうことばにならないほど大きなショックを受け、真っ赤な顔をしながら、Aくんに向かって大声で怒鳴りつけたのです。

そして、Aくんの持っていた床マットを即座に取り上げ、もう絶対に渡さないぞという迫力で、何度も何度も声を荒げ、「来るな来るな」と叫んでいたのです。

しばらくの間、取り合いが続きましたが、最後はAくんが勢いに押され、たじたじになって、へなへなと隣の部屋に駆け込んで行ったのです。

そして、着ていたパーカーのフードを顔全体に覆いかぶせ、机に伏して、しくしくと泣いていました。

3〜4分は経ったでしょうか。
Aくんは「ハ〜」と大きなため息をついて、おもむろにフードから顔を出し、やっとこさ起き上がってくれたのです。

何とか立ち直ることができたAくんは、少しずつ、私たちの働きかけに応じるようになりました。

この怒涛の出来事を見ていて、私は2人のやりとりに大いに感動を覚えました。

自分の思い通りにならないって、素晴らしいな!

Aくんにしてみれば、自分がやりたいと実行しただけなのでしょう。
しかし、弟からすれば、一生懸命作ったトンネルを無残に壊され、怒り心頭になるのは当然のことだと思われます。

こんなとき、もし、Aくんの気持ち汲み取り、弟に我慢させたとしたら…。
それは果たしてよいことなのでしょうか?

私は、そういう配慮こそ、子どもの育ちにとってとても不自然なことだと思うのです。

今回のことは、いつもは十分な配慮をしてもらっているAくんに、自分の思い通りにならないことがあるということを教える、大きなチャンスと言えるのではないでしょうか。

常に自分の思いが通ってしまうという環境は、明らかに不自然です。
それこそ、配慮をされた相手に失礼だと思います。

集団場面に入れば、誰でも、理不尽な思いをすることはあるはずです。
それが社会生活と言うものですから。

大切なのは、そういう場に遭遇したときに、いかにして、やりきれない思いを自分で解決していくかということだと思います。

このケースでは、Aくんは見事に自分の気持ちを時間をかけて独力で整理することができました。
そこが、Aくんがもっとも頑張ったところなのです。

授業の中盤からは、Aくんはいつも通りの姿を見せてくれるようになり、大人とのやりとりを大いに楽しんでいました。

そして、帰りには、何事もなかったかのように、弟と一緒に仲良く帰って行ったのです。

子どもって、すごいですね。

2016年1月14日

 

投稿者:ミカっち
題名:あけましておめでとうございます

2016年がスタートしました。

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

昨年は、個人的に激動の年で、休む間もなく突っ走った感じがしています。
おかげさまで、子どもたちや保護者の方がた、そしてスタッフの支えで乗り切ることができました。
本当にありがとうございました。
痛感したことは、身体が元気でないと心の余裕は生まれないということです。
皆さんも、まずは健康第一に、安心して過ごせる一年にしてくださいね。

新年最初の授業は5日からスタートします。
子どもたちの元気な顔を見れることを、楽しみにしています。

2016年1月02日