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投稿者:カトちゃん
題名:適切な時期に、適切なサポートを
5月になりました。
暖かい日が続いています。
この時期は窓を十分に開け、気持ちのよい空間で過ごす日が多くなっています。
1日も早く、日常が取り戻せることを心から願います。
今回は『適切な時期に、適切なサポートを』という特集です。
お子さんによっては、幼児期から小学生にかけて、いろいろなトラブルを起こすケースが見られます。
例えば、ちゃんと座っていられない、床に寝転がる、すぐにキレる、友だちに手を出す、授業中おしゃべりばかりしている、自分のことばかり話す、人の気持ちを読み取れない(相手の立場で考えられない)、いつもと違うことに対応できない、登校しぶりが見られる、等々。
そして、これらは大体が起きてしまってから、その場で対応されることが一般的です。
ことばで注意を受け、次はもうやらないことが期待されるわけです。
実は、上記のような行動を頻繁にとる子どもの場合、一般的な注意はほとんど効果を持ちません。
なぜなら、それが特性だからです。
そのため、理屈で説得されればされるほど、行動はエスカレートしていきます。
するとまた注意を受けてしまう。
しかも今度は最初よりも強い口調で、長々と説得される。
こうなると悪循環でしかなく、解決の糸口は全く見えなくなってしまいます。
結局のところ、上記のような特性を持つ子どもに対し、
行動 → 注意 → 行動 → 注意
というようなことを繰り返すと、問題行動が減るどころかかえって増えてしまい、しかも二次障害が生じるリスクも高まってしまいます(「ちょっと気になる子は、無暗に努力させればさせるほど特性が強くなる」佐々木正美)。
そもそも、発達障害の特性がある子どもは、失敗から学ぶことが難しいのです。
「失敗は成功の母」は通用しません。
叱られてばかりいると二次障害が生じやすくなる。
二次障害とは「特性が強くなると別な困難が生じてしまう」ことです。
それはどういうことか。
具体的には、中学生や高校生になって、不安傾向が強くなったり、すぐに「自分なんかダメだ」とネガティブな気持ちになったり、失敗を誰かのせいにしたり、無気力になったり、不登校になったりします。
当然成績は下がり、対人関係もうまくいかなくなります。
そして、このような二次障害は、実は小学生の時期の対応のまずさによるところが非常に大きい・・・すなわち、一般的な注意ばかり受けると、数年後により頑固で強大な形の「二次障害」につながる。
そのことを、是非知っていただきたいと思います。
その意味では、まさに「適切な時期に、適切なサポートを」が大切な意味を持ってきます。
この場合のサポートは、そのときだけ行うのではなく、切れ目なく行うことが不可欠です。
1年間やって、その後はやらない、ではダメなのです。
また、サポートは全てを手伝うのではなく適量が大事です。
もう1つ大切なことがあります。
それは、小学生の頃の問題行動に対し、それをなくすための対処療法だけ行っても十分ではないということです。
例えば、友だちに乱暴する子は、往々にして、対人関係の苦手さを持っています。
友だちとどのように接したらよいかがわからないのです。
そのため、乱暴がおさまることを目指すと同時に、相手とのかかわり方(対人コミュニケーション力)も育てていくことが必要となってきます。
それは、何か起きたときではなく、気持ちが安定しているときにこそ、いろいろなやりとりを行うことで成立します。
問題行動は、起きているときだけに対応するのではなく、起きていないときにもチャンスがあるということを私たちは十分に理解する必要があるのです。
それこそが専門性であると、私たちは日頃から考えています。
5月もよろしくお願いいたします。
2022年5月03日