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投稿者:カトちゃん
題名:子どもに迷惑をかけられたっていいじゃない

今日、新しいお子さんが入会しました。
久しぶりの入会です。

なかなか空きがなく、長い間お待たせしてしまい、申し訳ありません。


今回は、子どもたちが日々いろいろなことをしてくれるというお話を紹介したいと思います。

ある保護者が、次のようなエピソードを話してくれました。

うちの子は、出かけるときに、用意をしないばかりか、すぐに他のことを始めてしまい、結局いつも出発が遅れてしまう…本当に困ったものです…。

お母さんからすれば、いつも大変な思いをされていることでしょう。
それは、実感としてとてもよく理解できることです。

しかし、もし、そのお子さんが、何も手がかからない、何でも言うことを聞いてくれる、素直な子であったとしたら…果たして、それが嬉しいと感じるのでしょうか。

ふと、そんなことを考えてみたのです。

職業柄、いろいろなお子さんとかかわっているためなのか、わかりませんが…。
私は、大人の思い通りにいかないことが、実は子どもにとってよいことだと考えています。

そもそも、臨床は「大人の思い通りにならない」というところからスタートすることが多いのです。

そのため、自分の心の中にクッションのようなものを作って、子どもが一見迷惑な行動をとったとしても、イライラすることはなく、「ふ〜む、そうきたか〜。それは思いつかなかったな〜。なかなかやるな〜」と一度は感心することにしているのです。

そして、その子の行った行動につき合い、その子を追い越さんばかりに盛り上がり、徐々に私のペースにも応じてもらう…。

そういう、お互いがやんちゃになるという相互的なやりとりの中で、子どもとの関係性を深めていくことが、とても大切だと思っているのです。

大抵の場合、子どもは思い通りにはならないのです。
というか、思い通りにさせてはいけないと思うのです。

『学校U』(山田洋次監督)という映画の中で、主人公の先生が、後輩の先生に向かって次のような話をする場面があります。


「われわれ教師は、子どもに迷惑をかけられるためにいるんだよ。それともなにかい?自分に都合のいい子どもを作ろうとでもしているのかい?まさか、優秀な大学を出て教師になったあんたが、そんなことを考えているはずはないよね」


このことばは、私にとっても大きな財産になっています。

教師に限らず、臨床家も親も、子どもにかかわるすべての人にとって、言えること…。
それは、その人たちは子どもに迷惑をかけられるために存在する、ということです。

迷惑を迷惑とも感じず、なかなかやるじゃないかと楽しみながら、子どもと共に過ごしていく…。

ビリーブでは、そのような姿勢をとてもとても大切にしています。

2015年10月01日