発達に心配のあるお子さんが学ぶ場や、余暇活動を行う場は、選択肢が少ないという現実が見られます。私たちは、サポートを必要とするお子さんたちに、早期に臨床を行なうことで、お子さんたちが持っている力を、存分に伸ばし、発揮できることを目指しています。
ビリーブでは、いわゆる訓練的な指導は行っていません。なぜなら、そのような「させられる」療育や教育で一見身についたように見える力は、実は、本物の力になりにくいからです。
私たちは、訓練的な指導により、多くのストレスを受け、それが後々問題行動となって現れたり、受け身の姿勢が続くことにより、主体性を失ってしまうお子さんを、数多く見てきました。
そもそも、子どもはどのように育つのでしょうか。なぜ、発達に課題のある子どもだけが訓練をされる存在なのでしょうか。
訓練の対象になった瞬間に、今ある子どもを否定することになってしまうのではないでしょうか。親やセラピストが、「今がダメだからこのように伸ばしてやろう」と思ってかかわることに子どもは敏感に反応します。そういう、子どもと大人の関係がはたして健全な関係と言えるのでしょうか。
子どもは、誰かに愛されて育つものです。今の自分も肯定されて、大人や仲間と一緒に楽しい時間を過ごす中で、健全に育っていきます。 言い換えれば、楽しい雰囲気の中で、好きな人と、好きな活動をすることが、もっとも健全に育つ道と考えるのです。
もちろん、楽しいと言っても、雰囲気だけの楽しさでは、大人の独りよがりになってしまいます。きちんと、子どものことをアセスメントし、発達課題に基づいた遊びや課題を提供することが、不可欠になってきます。
それは、例えば、以下のような力を育てる手立てを、活動の中に入れていくことを意味します。
@身体を意識する力
A目と身体を使う力
B耳と身体を使う力
C記憶する力
D模倣する力
Eイメージする力
F概念形成の力(教科学習の土台)
G協調性・社会性の力
つまり、楽しい雰囲気の中で課題に取り組み、いかにも、勉強をやっているぞという形ではなく、あくまで「さりげなく」取り入れていくことが大事なのです。
例えば、訓練されて出るようになったことばと、「ねえ、あれおもしろいね」と感じて自らが出したことばには、その後のことばの成長にとって、信じられないくらい大きな差となって現れます。
以上、ビリーブのもっとも根幹となる考え方を述べさせていただきました。 そのような趣旨にのっとり、具体的に、以下のような目標〔ビリーブの具体方針〕を設定しました。
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